沼田研究室 ― 情報系の文章の書き方
本ドキュメントは、一般的な情報系文章の作法に加え、当研究室独自のローカル・ルール(漢字・かなの使い分け等)をまとめたものです。
1. 文章構成・フォーマット
段落の構成
- 原則:1段落には2文以上(句点「。」2つ以上)含めること。
- 例外(1文でも可):
- 章や節の冒頭にある導入文(リーダー部分)
- 「はじめに」や「おわりに」の結びの文(「本研究では〜を提案する」「今後は〜の調査が必要である」等)
- 接続詞の省略:段落冒頭の「まず」「また」「次に」などは省略し、簡潔さを優先する。
英数字・記号
- 英数字:原則として半角を使用する。
- 列挙の区切り:英単語の羅列は半角コンマ+半角スペースとする(例:Line, Box, Triangle)
- 括弧 ( ):
- 原則として使用を控える(使わないほうが読みやすい)。
- 使用する場合:中身が半角のみなら半角 ()、全角混じりなら全角 ( )。
- 引用符: 参考文献の題名等は、直立の " ではなく、向きのある “ ” (スマートクォート)を使用する。
2. 図表・プログラムコード
図(Figure)
- 形式:PDFなどのベクタ画像(解像度非依存)で作成する。
- 視認性:白黒印刷でも判別できるようにする。
- 統一:矢印の色・太さ・形状が持つ意味(役割)を文書全体で統一する。
- キャプション:テキストボックスで作成し、図とグループ化する(フォントは本文と統一)。
プログラムコード
- 掲載方法:スクショは禁止。テキストとしてコピー&ペーストする。
- フォント:等幅フォント(Menlo, Consolas, Courier New 等)を指定する。
3. 文体・表現のルール
文末・トーン
- である調: 「〜です・ます」は不可。「〜である」「〜した」「〜する」で統一。
- 客観性:
- 丁寧語・謙譲語は不要(×していただく → ○する/させる)
- 主観的な表現は避ける(×〜してしまう → ○〜した/する)
- 「今回」は避け、「本研究」「本制作」とする。
口語・曖昧な表現の排除
- 具体的な数値や論理的な言葉に置き換えること。
- 〜ので、〜から → 〜ため、〜より
- でも、だが → しかし、しかしながら
- いろいろな → 様々な
- 〜で → 〜によって
- 良い・悪い →(数値の大小で記述する)
- 少し・多くの → (具体的な数値で記述する)
- 直感的・ゲーム性(人により解釈が異なるため、定義して使用するか、使用を避ける)
固有名詞
- 正確に記述する(スペースの有無、大文字小文字)
- 例:Nintendo Switch, macOS, HTC Vive
4. 漢字・かな・記法
カタカナ(長音記号)
文化庁「公用文作成の考え方(2022)」に準じ、末尾の長音をつける。
- つける例: コンピューター, サーバー, ユーザー, インターフェース
- 例外(慣習):データ
漢字とひらがなの使い分け
【ひらがなにするもの】
- 接続詞・副詞・形式名詞など
- つなぐ, たどる
- こと (事), とき (時), ため (為), ごと (毎), など (等)
- かつ, また, それゆえ, したがって, および, なお
- さらに, すべて (全て), たとえば, おそらく, とくに, すでに, ますます, まったく
- まとめる, さかのぼる, 〜のような, 〜のほうが, 〜のほか, 〜によれば
- ある, ない (有無)
- 〜ずつ (×づつ)
【漢字にするもの】
- 特定の語句
- 様々な (×さまざまな)
- 全部 (×ぜんぶ)
- 特定の動詞表記(統一)
- 分かる (解る/判る は不可)
- 行う / 行った (送り仮名「な」を入れない)
【具体と抽象による区別】
- 「もつ」
- 具体的に手に持つ → 持つ (例:鉛筆を持つ)
- 抽象的な属性・可能性 → もつ (例:可能性をもつ)
- 「できる」
- 具体的な完成 → 出来る (例:土台が出来る)
- 可能 (can) → できる (例:学習できる)
数字の表記
- 数量(数えられるもの): アラビア数字(3個, 10人)
- 慣用句・概数: 漢数字(一度, 二分法, 数十年)
- ※「once」の意味の「いちど」は「一度」とする。
- 単位「かげつ」「かしょ」:「1か月」「1か所」とする(ヶ、ケ、箇は避ける)
- ただし、漢数字の後は「箇」を用いる(例:数箇月、数箇所)
5. 参考文献
- 選定基準:
- 原則として「紙の資料(書籍・学会誌)」を優先する。
- 永続性のないWebサイトは避ける。
- 入門書(Java入門など)は原則として含めない。
- 内容を読んでいない文献は載せない。
- 参照:リストに挙げた文献は、必ず本文中で参照する(例:「〜とされている[1]」)